今日は、長いタイトルになってしまいました。
でもね、この話題「おはなし」好きには、
なかなか面白い話だと思うのです。
ことのおこりは、
新人作家の風野祐一氏がHPで発表した
新作童話なのです。
タイトルは「餅つき峠」といい、
何ともやりきれない哀しい恋の物語なのですが、
サイト内のメッセージで
「25年前に一度だけ聞いた故・沼田曜一の民話の語りを元に
記憶だけを頼りに書き起こしたものである」ということと、
「元の民話の情報をご存知の方、教えてください。」
という内容が書かれてありました。
数日後、早くも情報が寄せられたようで、
元のお話は長野県上田市の民話で「つつじの乙女」といい、
また松谷みよ子氏もこの民話を題材にした
「つつじのむすめ」という絵本を出版していると
HP上で発表されていました。
ぷりん、もうワクワクして、
早速ウェブ上で「つつじの乙女」を読み
その後、図書館にイソイソと出かけていって
「つつじのむすめ」を借りてきました。
おもしろい!!!
〜民話「つつじの乙女」〜
祭りがきっかけで、山を四つも挟んで恋におちた娘と若者。
娘は、若者会いたさに、夜の山越えを試みます。
両手に、餅米をにぎりしめて。
最初は、再会を喜びあう二人でしたが、
やがて若者の心に疑惑が生まれます。
毎晩、四つもの山を往復し、
両手につきたての餅を握りしめてくる娘。
若者は、娘の中に「魔」を見出すのです。
そしてある夜、若者は、疑いと、うとましさから、
山で娘を待ちぶせると、娘を崖の下に・・・
その後、この崖には、
血のように鮮やかなつつじが咲くようになったのです。
という、長野県上田市の
「つつじ」の名所から生まれた民話です。
松谷みよ子氏は、民話の再話の業績でも有名な方で、
絵本「つつじのむすめ」は
原話に忠実な内容の作品でした。
そしてね、おもしろいのは風野氏の「餅つき峠」なのです。
25年も前に故・沼田曜一氏の語りで一度だけ聞いたという、
タイトルもわからなかった、そのお話は、
「餅つき峠」という一つのお話になるのですが、
この「餅つき峠」の中には、「つつじ」がでてこないのです。
(風野氏、HP上で
長野県上田市の方たちにお詫びしてました。)
また、原話では、娘をうとましさや疑いから、
若者が待ちぶせるラストも、
若者は疑いを晴らすべく待ちぶせていて、
勘違いから娘を突き落としてしまうという
哀しい結末になっています。
残念なことに、
風野氏が聞いたという故・沼田曜一氏の語り
「つつじ娘」を聞くことは、もうできないのですが、
たぶん民話「つつじの乙女」に準じる
お話だったと想像できます。
でも、これが語りのおもしさだと、私個人は思うのです。
文字として、確固たるものが残らない語り。
そして、語る人の体温で変化していく語り。
聞いた者も自分の感性で受け止め、
また語り継ぐ時には、その人のお話となるのでしょう。
あの「桃太郎」でさえ、伝わる土地によって、
様々な人物像になっているそうです。
(これもまた、おもしろいんですよ。。。)
25年という時間を経て
風野氏の中で発酵した「つつじ娘」は「餅つき峠」になり
読んでみると、書いた人の人柄が伝わってきます。
そして、読んだ後に出てきた感想で、
読み手の心情も垣間見れちゃいそうで、ちょっと楽しい♪
さて、興味をもたれた方は、下記をご参照くださいませ。
おもしろいですよ〜♪
それでは、また。
「つつじの乙女」長野県上田市の民話
「つつじのむすめ」松谷みよ子
「つつじ娘」沼田曜一(語り)
「餅つき峠」風野祐一